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伊藤若冲の鳥獣花木図 屏風 升目描きについて雑考 05 [Des notes sans fin φ(。。)]

以下黄檗宗の版木へと迷走した妄想の軌道修正.....




若冲 生誕300年記念 マルチケースBOOK (TJMOOK)

若冲 生誕300年記念 マルチケースBOOK (TJMOOK)

  • 作者: 伊藤若冲
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2016/12/06
  • メディア: 大型本



生誕300記念でクリアーファイルのみならず ポーチまで付属しているMookがあり
物好きにも書店で手にとってみると 識者による「升目描き」に関する言及がありました.
要約すると
膨大な方眼で作成される西陣織りの「正絵」に絵画的面白さを発見した伊藤若冲がその方眼を残したまま作品にしてしまったのが「升目描き」屏風である

一読して.....?????

ここでの方眼、グリッド線は 絵を描く上での補助線に過ぎません. そのグラフィックが新鮮で
そのまま残した.......Mook監修者の言を借りると 全く「我が意を得ません」

音楽で言えば ガイド/クリック音が新鮮だから敢えてそのトラックは消さなかった
ということになります........


従来から鳥獣花木屏風と西陣織りの「正絵」の関係,
通説 正絵インスパイア説をトレースした際 どのような結論の地平に立つのか
この際 2晩酒の肴にしてネットを検索して妄想に耽ってみました.

違和感を覚えた主な原因は 「西陣織り」「正絵」とInputしても期待するような
ものがヒットしない事が挙げられます. 京都の伊藤若冲が伝統工芸の西陣織りの下絵
にインスパイアされた指摘は魅力的ですが, 「正絵」が何を表象しているのかが
掴めなければ 酒肴にはなりません.

そこで西陣織りの製作過程を検索すると 正絵は図案に方眼を施した準備材料に
過ぎないことが判りました. むしろ,正絵を前提としてその先に製作される
紋意匠図あるいは指図(さしず)ともいう西陣織の詳細な設計図 並びに一連の関連手法に着目するのが合理的だと思われます.  この図柄は たんなるデザイン画ではなく,経糸の上下を指示する情報、緯糸を通すための杼 (ひ)の走らせ方や織物組織など、その他あらゆる制作上の情報が書き込まれ添付されいます.
 とりわけ,一番熟練を要する把釣(はつり)と呼ばれる工程は、図案を経糸で表すところと緯糸で表すところの枡目を丹念に絵の具で塗り分けていく作業であり.
伊藤若冲は 紋意匠図,とりわけ升目を一定の規則に従い塗り分けていく把釣にインスパイヤーされて屏風を作成したと解釈するのが自然だと思います.



さて ここから様々な疑問が派生します. 約8万6千もの升目をひとつひとつ彩色して埋めていく気の遠くなるような緻密な作業を敢行することを支えた製作動機は何か?
伊藤若冲自身自ら着手したのか? それとも誰かに依頼されたのか? 西陣織でこの屏風を製作しようと思ったのか? 西陣ではこの意匠図を織る技術はあったのか? etc.,